August 23, 2004

広島国際アニメーションフェスティバル・最終日

昨晩楽しく飲んだことと、
そのあとホテルでずっとオリンピックを観ちゃったことと、
さすがに連日の疲れがピークらしい…ことで、
目覚めたときの体調は超どんよりである。
寝坊はしなかった。6時前には目が覚めた。
睡眠時間は…2〜3時間って感じだろうか。
やっぱり、全体的に妙なテンションで生活しているんだと思う。
遅くまで食事の席にいたせいか、胃も重たい。

午前中に、おみやげとかいろいろのひと荷物を送ってしまいたいこともあって、
フロントに行って箱を買ってくる。
だるいなぁ…と思いつつ、荷物の整理をしてひと箱分の郵送物をまとめる。
とにかく疲れている。

そうこうしているうちに、8時すぎ。
今日は、9時15分のプログラムから会場に行こうと思っていたのだけれど、
ぎりぎりのところで、
あー…。くたびれてるから、11時すぎのプログラムからにしようかなー…
今日一日長いし…。
ホテルの朝食にも行ってないし…。
と、ちょっと休みたい気分になってきた。
で、支度するスピードがぐんと下がったのだけれど、
いやいや、ここでへたれては後悔するぞと思い直した。
朝食のクーポンは使用せず。
やっぱり、ちょっともったいなかったけど。

9時少し前にホテルを出る。
行きがけに宅急便を出す。

いつもの道をいつもより急ぎ足で会場に向かう。
橋を渡って、公園を抜け、会場まで約5,6分。
途中で、同じく会場に急ぐ知人に会う。
「おはようございます。ショメですか?」
「ええ、ショメです。」
と、挨拶を交わす。

そう。
本日の9時15分スタートのプログラムは、
フランス生まれのアニメーション作家シルヴァン・ショメの長編、
「ベルヴィル・ランデヴー」上映&ショメのトークである。

シルヴァン・ショメは、「老婦人とハト」という知る人ぞ知る短編名作アニメーションで、
広島第7回大会コンペでグランプリを獲っている。
98年のことだ。
現在は、スコットランドのエジンバラにスタジオを設立して、制作を続けているという。
「ベルヴィル・ランデヴー」は、今年のアカデミー賞で長編アニメーション賞と歌曲賞にノミネートされている。

どんなものかはわからなかったが、
とりあえず、そのショメの初長編作品なのだ。

ぎりぎりのタイミングで会場in、
暗転の中アイキャッチ「愛と平和」のところで着席。

で、本編を視聴。80分間。
観終わって……、大拍手!!!
私としては、この作品が今回の大会のグランプリだっ!!

本当に、本当に、ほんとーーうに、素晴らしかった!

本編終了後、ショメとの質疑応答で、会場からの質問に答える形ではあったが、
ショメの本作についての話が聞けたことも、贅沢な体験だった。
彼は、すっごく大柄な男性だった。
なんと、1963年生まれ。

もう、この作品を観ただけで、充分に興奮した。
一日分くらいは、もう、充分に。
それぐらい素晴らしかったぞ、ベルヴィル・ランデヴー。

…というわけで、ベルヴィル・ランデヴー である。
ひとりでも多くの人に薦めたい!
2005年お正月にロードショーの予定らしい。
もう一回、スクリーンで観たいと、切に思う。
会場から、ちらしを束の状態でごっそりもらってきた。
帰京したら、配るのだ。

今朝、たいして食欲もないのに、
朝食のクーポンなんかを気にしてこの作品をミスしていたとしたら…と、
想像するだけでも怖ろしい。
やっぱり、フットワークは軽いのに限る。

興奮さめやらぬまま、
次のプログラムまでのちょっとした時間に、
会場入り口で知人と語り合っているマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督を発見。
至近距離にいる彼は、とても背が高くて声が温くて(これ、超高得点)、包容力を感じる。
たぶん、私にとっては、One Chance!である。
意を決して、話しかけ、プログラムにサインをしていただいた。
20040827_0018_0000.jpg

「お坊さんと魚」のちいさな魚つき。
彼のレクチャーのメモでいっぱいになっていたページだったので、
そのことで少しお話をし、握手をしていただいた。
その、手の大きさと温かいあつみは、ちょっと忘れがたい。
あー。
もう思い残すことはない。


次のプログラムは、小ホールにて広島フェスティバル受賞作品集4。
粒ぞろいで見応えたっぷりの2時間半、無駄がない、退屈しない。
ただし、腰が、もういい加減まずい。
このプログラムのおおとりは、大傑作Father and Dautherで、
上映開始時に、先ほどサインしていただいたマイケル監督が来場して挨拶された。
てっきり、挨拶のあとにすぐ退場されたのだと思っていたのだが、
彼はプログラムの最後まで、あの、フラットで観にくい会場の、
座りにくい椅子にずっとと座って作品を観続けていたのだった。
それだけのことに、なんだか感動する。
「Father…」は、もう何回観たかわからないくらい観ていて、
全編脳内再現可。
それなに、やっぱり最後で涙が。

お昼休憩を入れて、会場裏の川べりに出てみた。
ちょっと散策する。
ぱらぱらと雨が降ってきたので、慌ててテントの中に入ったりした。
お昼ご飯は、会場に出店で出ていたお好み焼きと、
この大会中何杯飲んだかわからない、
会場内で売られているフレッシュバナナジュース(一杯100円なり。おいしくて安い)。

少しのんびりしてから、大ホールの「ベスト・オブ・ザ・ワールド3」に途中から入る。
「ファスト・フィルム」(ものすごくたくさんの過去の映画フィルムを物語上にコラージュするように使用した作品)、
「ザ・セパレーション」(シャム双生児の物語をクレイアニメーションで描く)などが、
とりあえず、記憶に残る。
このプログラムのラストは、初日に観た「デスティーノ」と「ロレンツォ」。
2回観ておきたかった。
とにかく、ディズニーには、こういう作品を作り続けてほしいのだ。

即会場外に出て、
閉会式&表彰式&受賞作上映プログラム入場のための列に並んだ。
いよいよ、今回のフェスティバルもこのプログラムでおしまいになる。

閉会式が始まり、各賞の発表。
日本人の作品は、見事に多摩美の学生作品が二作品受賞した。
デビュー賞を獲った細川くんが、
コールを受けて壇上に上がる時に、
そばにいたK山先生に自分から握手を求めてから登壇した。
その光景を後ろから見ていて、涙が出ちゃった。
K山先生、嬉しいだろうなぁ、やっぱり彼って素晴らしい導き手だなぁ…と。

優秀賞、審査員特別賞、観客賞、デビュー賞と、発表が続き、
ヒロシマ賞は、「ルイーズ」!に!!
なんて素敵な選出!
この作品のおばあちゃんの声は、
ほんとに作者のおばあちゃん(2002年に亡くなったとクレジットされる)の声なのだそうだ。
そのおばあちゃんの、なんてことはないのんびりとした一日の話。
こういう、はたから見れば滑稽かもしれないけれど、
普通に過ごす一日っていうのが、どれだけ平和なのか、
改めてそれが心に響く作品だった。
私は、最後のおばあちゃんの写真と生年没年のクレジットを観て以来、
この作品のことが、とっても気になっていたし記憶に残っていたのだ。
だから、この作品の受賞はいいなーと思った。すごく。

そして、グランプリは。
「頭山」だった。山村さん!おめでとう!
アヌシーで、ベルリンで、それぞれグランプリを受賞。
短編アニメーションを巡る世界の大きなコンペティションのうち、
これで3冠、金メダル3つ!

よかったなぁ。ほんとに。

「頭山」の上映とともに、第10回広島国際アニメーションフェスティバルは終了となった。

お祭りが終わったあとの感覚。
会場の内外に残る沸き立つような興奮が、
名残惜しさを誘う。

帰りがけ、会場の向かい側にあるお店で、
ずっと気になっていたつけ麺を食べる。
広島では今、お好み焼きに次いで辛口のつけ麺が人気らしかった。

20040823_2134_0000.jpg
辛さを選べることになっていて、
とりあえず3倍を注文。
麺は、半玉にしたが、あとから追加して結局一人前食べた。
ゆでたキャベツなどと一緒に食べるのだけれど、
なかなか美味なり。





5日間毎日通ったアステールプラザを、
道の反対側から眺め直して、別れを告げる。

次回…が、開かれることを心から祈りつつ。


ホテルに帰り、荷物の整理。
無事に会期が終わったことに、祝杯をあげる。
出会ったたくさんのアニメーションを、肴にしながら。



















m-52_03723 at 09:41│Comments(0)TrackBack(0)

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